うしこlog
公開: 2013/07/03

100均の昇圧機器を分解、改造する

100均の昇圧機器

 乾電池2本(3V)でマイコンやLEDなどの電子耕作をするときに、5Vがほしくなるときが多々あります。そんなとき、昇圧回路(電圧を上げる回路)を自作しようかなって思うが、なかなかめんどくさい。

 そこで、100均に昇圧機器があるかなーとSeriaに行ってみたところ、それっぽいものを発見した! さすが、あったらいいねを実現してくれますね、100均は宝物の宝庫ですわー。

100均で買った昇圧機器
100均で買った昇圧機器

 これは、スマホを乾電池2本で充電する充電器のようですね。 USB端子があるので乾電池2本(3V)から5Vを取り出せますね。 しかし、導線から5Vを取り出したいので、分解して5V出力するところに導線をくっつけてあげます。

100均の昇圧機器を分解してみる

 まず、ふたを開けます。パカッ。
そして、赤丸で囲んだ部分にドライバを入れて上のふたを持ち上げるようにして開けます。

100均の昇圧機器のふたを開ける
100均で買った昇圧機器のふた開け

 開いたらこんな感じになります。

昇圧回路部のふたを開ける
昇圧回路部のふたを開ける

 このままだと、作業がしにくいので本体から昇圧回路を取り出します。ピンセットか何かで簡単に外せます。

 昇圧回路の表を見るとコイル、コンデンサ、ダイオード、USB端子(メス)が見えますね。裏側にはチップ抵抗とDC/DCコンバータが見えます。裏側を見て分かるように、USB端子は、はんだづけされていて基板から抜けないようになっています(図5の赤丸)。また、USB端子はジャンパの役割を担っているようです(図5の黄色線)。

昇圧回路の表
昇圧回路の表
昇圧回路の裏
昇圧回路の裏

100均の昇圧機器を改造する

 図5の赤丸の部分のはんだを取ります。そして、ピンセットで、USB端子のピン4つを外していきます。
図6の赤線で囲まれた部分みたいに外します。他の3つのピンも同様に外します。

usb端子のピンの取り外し
usb端子のピンの取り外し

 ピン4つが外し終わったら、USB端子本体を外します。本体を外したら図7のようになります。

usb端子本体の取り外し
usb端子本体の取り外し

 だいぶすっきりしましたね。USB端子は、グランドのジャンパーを担っていたので、導線でジャンパーしてあげましょう(図8)。ジャンパーし終わったら、4つの端子( 赤の点線部分)を取ってください。

ジャンパーする
ジャンパーする

 次に、昇圧しているとき(5V出力時)を確認できるようにLEDを付けます。抵抗510ΩとLEDを繋げるところは、図9の点線部分に繋げます。

昇圧回路にLEDを繋げる
昇圧回路にLEDを繋げる

 ついでに、気の迷いさんのDC/DCコンバータIC HT7750で遊ぶの記事を参考に、ノイズ除去用のコンデンサ0.047uFを付けて安定化を図りました。付ける前の特性を測っていないので、効果があったかは、確認していません。

 完成した回路を以下に載せます。図10(昇圧回路完成_表)の様に、抵抗510ΩとLEDを付けました。その際に、LEDと抵抗の高さを低くしてあげないと、ふたを取り付けれなくなるので注意すること。

 図11(昇圧回路完成_裏)で、オレンジ線から、GNDと5V出力に線を繋ぎたかったが、端子を取るのがへたくそだったため、そこからGNDと5Vを取ることができませんでした。
代わりに、赤矢印からGNDと5Vを取ることにしました。

昇圧回路完成_表
昇圧回路完成_表
昇圧回路完成_裏
昇圧回路完成_裏

 最後に、入れ物に昇圧回路を戻します(図12)。画像をクリックすると、回路部の拡大図が見れます。プラスマイナスの向きに注意して入ることと、動かしすぎて線が切れないように注意すること。LEDと抵抗の高さにも注意。

昇圧回路を戻す
昇圧回路を戻す

昇圧回路の上にカバーを付けるとき、図13のようにLEDが出るようにしてあげるとかっこいい。穴は、千枚通しのような先のとがったもので、ふたをグリグリしてあげると簡単に穴があきます。この時、カバーの裏の突起物が折れないように注意して穴をあけること。もちろん、怪我しないようにしてくださいね。

ふたに穴をあける
ふたに穴をあける

 これで、完成です。一応動作確認をしておきましょう。

昇圧機器の動作確認

 単三電池を入れておきます。使用した単三電池は、何かで使って1.3Vになっていた電池を2本使用しました。
また、負荷として、抵抗100Ωと緑LEDを直列に繋いだものを使用しました。

 作成した昇圧回路と負荷を繋げていないときは、昇圧回路部のLED(赤LED)は光りません(図14)。

負荷を繋げていないとき
負荷を繋げていないとき

 昇圧回路に負荷を繋げた時、負荷LED(緑LED)と昇圧回路部のLED(赤LED)が光ります(図15)。
このときの電圧を図16に示します。しっかり昇圧されて5Vが出力されていますね。このように昇圧した時に赤LEDが光ります。

負荷を繋げたとき
負荷を繋げたとき
負荷を繋げたときの電圧
負荷を繋げたときの電圧

 電流が増えたときはどうなるのでしょうか?
90mA流したとき、電圧は5V近くあったのが4.82Vになりました。緑LEDごめんね。んー、もうちょい昇圧回路頑張ってほしかった。

電流を増やしたとき
電流を増やしたとき
電流を増やしたときの電圧
電流を増やしたときの電圧の電圧
その時の電流値
その時の電流値

 100円と手元にあった抵抗とLEDとコンデンサで、昇圧回路を作ることができた。 けっこう簡単にできるし、費用も安いので手頃である。 今後、いろいろなことに使っていこうかな。

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