うしこlog
公開: 2016/10/22

音信号検知回路でオーディオ信号を検知する

今回の内容

 オーディオやマイク等の音信号を検知する信号検知回路を作成し、実際にオーディオ信号を検知してみます。オーディオ検知ICとしてはNJM2072DというICを使用していきます。NJM7072は、検知レベルの調整機能や検知した状態を一定時間保持する機能を持っており、部品を外付けすることで容易に調節ができます。なお、作成や利用に関しては、自己責任でお願いします。

音信号検知回路

 音信号を検知する回路を作成していきます。本回路は5Vでの使用を前提にしております。用意する部品は以下のとおりです。図(部品一覧)では、電源、ブレッドボード、導線、ステレオジャックは入っていませんが、用意してください。今回のメイン部品であるNJM7072Dを見てみると「2072D JRC」と刻印されていますが、これは部品番号らしいです。
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用意する部品個数部品説明
抵抗16kΩ1カーボンか金属抵抗 1/4 16kΩ
抵抗20kΩ2カーボンか金属抵抗 1/4 1k~100kΩのどれか
電源1ACアダプタ5V
DCジャック1電源をブレッドボードに供給するため
ブレッドボードか基板1小さめのボレッドボードまたは、ユニバーサル基板(72x47mm)
コンデンサ1000pF11000pのコンデンサ
電解コンデンサ10uF1電解コンデンサ10uF
電解コンデンサ220uF1電解コンデンサ220uF(容量によって検知状態保持時間が変わる)
導線-ブレッドボード用または、よくあるワイヤー
3.5mmステレオジャック1オーディオ信号入力用
部品一覧(一部を除く)
部品一覧(一部を除く)

 NJM2072Dの基本回路図は、以下の図のようになっております。1pinは音入力のピンであり、今回はステレオの音信号を入力とします。出力は6pinと7pinの2つあります。6pinでは音信号が検知された時にHIGHからLOWになります。一方、7pinは反転出力をしており音信号が検知された時にLOWからHIGHになります。ここで注意すべき点は、7pinを使う場合、6pinを使わなくても6pinに繋がっている抵抗(16kΩ)を外してはいけないことです。6pinのみを使う場合は、7pinの抵抗を外しても問題ありません。

音検出回路の回路図
NJM2072Dを使った音検出回路の回路図

 NJM2072Dでは、音信号が検知された時の出力を一定時間保持する機能があり、5pinに繋ぐコンデンサにより保持時間を変えることができます。コンデンサが10uFであれば保持時間は2[s]になります。保持したい時間からコンデンサの容量を求めるには、おおよそ以下の計算式を使えば良いです。

コンデンサ容量[uF] = 10[uF] * 保持したい時間[s] / 2[s]

 今回作成する回路図は以下の通りです。出力は、7pinは使わずに6pinのみを使います。この回路をブレッドボード上に組んでみます。

作成する音検知回路の回路図
作成する音検出回路の回路図
ブレッドボード上での音検知回路図
ブレッドボード上での音検出回路図

 用意した部品を実際にブレッドボードに配置していきます。簡単な回路なので、すぐに配置できるはずです。ブレッドボードに配置したら、ステレオジャックと線を半田ごてで繋ぎます。あとは、白い線をブレッドボードのマイナスに繋ぎ、緑色と黄色の線をそれぞれ20kΩの抵抗と繋ぎます。なおブレッドボード上では金属皮膜抵抗を使用していますが、カーボン抵抗でもなんでも良いです。

実際のブレッドボード上での部品配置
実際のブレッドボード上での部品配置
ステレオジャックに線を繋ぐ
ステレオジャックに線を繋ぐ
ブレッドボード上に信号線を繋げる
ブレッドボード上に信号線を繋げる

オーディオ信号を検知してみる

 作成した回路とオーディオ再生機器(iPod)を使って、オーディオ信号を検知してみます。NJM2072Nの出力である6pin(出力)と7pin(反転出力)の2つありますが、ここでは6pinの出力をテスターで見ていきます。なお、7pinを使うには16kΩの抵抗を電源と7pinの間に繋ぐ必要があります。

出力ピンの計測
NJM2072Nの出力ピン(6pin)計測

 まずはiPodを再生していない場合の、NJM2072Dの6pin出力を見てみます。電圧は4.89[V]を示しているので、状態としてはHIGHですね。
一方、iPodを再生しオーディオ信号を入力すると、電圧は55.7[mV]になりました。状態としてはLOWです。
再生を一時停止すると、すぐにHIGHになるわけではなくコンデンサの容量に応じてLOWの状態が一定時間保持されます。今回作成した回路ではコンデンサ容量220[uF]であるため、44[s]の間だけLOWの状態が保持された後、HIGH状態となります。

NJM2072Nの出力ピン - オーディオ信号なし
NJM2072Nの出力ピン - オーディオ信号なし
NJM2072Nの出力ピン - オーディオ信号あり
NJM2072Nの出力ピン - オーディオ信号あり

 次回は、この音信号検出回路を使って、音楽再生の有無によって電源がオン・オフするエコなオーディオアンプを作成していきます。

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著作権とか

本ページの回路図は、fritzingを使用しています。