うしこlog
公開: 2014/01/19

モータドライバの使い方

今回の内容

 ライントレーサを作るにあたって、モータの制御は欠かせません。そこで、今回はモータを制御するためのモータドライバの使い方について説明します。モータドライバは、入力を変えることでモータの回転を制御するものです。

前回と次回の内容は?

 前回は、ライントレーサ車体部を作成しました。
次回は、ラインを検知するためのセンサであるフォトリフレクタの使い方を説明します。モータドライバやフォトリフレクタの説明が終わり次第、ライントレーサの回路部を作製していきます。

 また、ライントレーサで使用するAVRの使い方がわからない方は、合わせてAVRの環境構築と使い方をご覧ください。

ライントレーサに関する記事

  1. ライントレーサ車体部
  2. この記事
  3. フォトリフレクタの使い方
  4. ライントレーサ回路部
  5. ライントレーサプログラム部

モータドライバTA7291の使い方

TA7291の使い方

 今回は、モータドライバとしてTA7291Pを使います。外観はこんな感じです。pinは10本ついています。左のpinから1,2,...,10番となっています。

TA7291Pの外観
TA7291Pの外観

 各pinの役割は以下の通りです。
今回はTA7291Pを使うので、赤で囲われた部分を見てください。Vccはモータドライバ用の電源で、Vsはモータ駆動用の電源です。Vrefは、モータへ加える電圧を制御します。PWMをする時などに使います。

IN1,2は入力で、2つの組み合わせでモータの回転を制御します(図3)。OUT1,2は、IN1,2をもとに電圧をモータに出力します。

TA7291端子説明
TA7291端子説明
端子の詳しい説明
端子記号詳しい説明
VccTA7291駆動用の電源
Vsモータ駆動用の電源
Vrefモータへの電圧を調整するときに使う(PWMの時など)
IN1入力として電圧を加える。IN2との組み合わせでモータ制御
IN2入力として電圧を加える。IN1との組み合わせでモータ制御
OUT1モータに繋ぐ。OUT2と組み合わせてモータを動かす
OUT2モータに繋ぐ。OUT1と組み合わせてモータを動かす
TA7291Pモータ回転
TA7291Pの入力とモータ回転

 モータの回転(OUT1,OUT2)は、図3のようにIN1,2に加える電圧の組み合わせにより変わります。例えば、Vcc=Vs=Vref=5[V]だとして、IN1=5[V], IN2=0[V]を加えると、OUT1=5[V], OUT2=0[V]が出力されます。これは、OUT1とOUT2のモータへの繋ぎ方により変わりますが、モータの回り方は、CW(時計回り)かCCW(反時計回り)となります。

TA7291を使った回路図

 TA7291を使った回路図を以下に示します。

TA7291Pを使った回路図
TA7291Pを使った回路図

本当は、上記の回路を組む方が良いのですが、今回は動作確認のためVrefに繋げる抵抗以外のコンデンサ・抵抗を省いて回路を組みました。

作成した回路
作成した回路
作成した回路_拡大
作成した回路_拡大

 緑色の線が入力で、IN1が左、IN2が右です。この図では、IN1とIN2には入力を加えていません。INOUT1とOUT2はモータに繋いでいます。

 入力としてIN1に0[V]、IN2に5[V]を繋いだ図が以下になります。この状態では、モータはCW(時計回り)でした。

時計回り
IN1=0, IN2=5のとき(時計回り)

 入力としてIN1に5[V], IN2に0[V]を繋いだ図が以下になります。この状態では、モータはCCW(反時計回り)でした。

反時計回り
IN1=5, IN2=0のとき(反時計回り)

 他に、IN1=0[V], IN2=0[V]としたときはストップ、IN1=5[V],IN2=5[V]としたときはブレーキとなります。結構簡単に使えますね。

 次の記事では、ライン検知をするために使うフォトリフレクタの使い方について説明します。

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